Himalaya
次は遺跡の旅

 アンナプルナ山塊と秀峰ダウラギリの眺望がひらけるプーンヒルで初日の出を拝もうと、ネパールに出かけました。
 ベースとなるポカラへはカトマンズを経て空路で入りました。到着後、ポーターを探し、トレッキング許可証を入手し出発です。
 歩き始めるビレタンティまでポカラからバスで行くつもりでした。しかし、許可証の入手に時間がかかり昼になってしまったのでタクシーを奮発して時間を節約しました。
 ビレタンティの近くでタクシーを降りて交易路を歩き始めます。ビレタンティの集落を過ぎるとトレッキング許可証のチェックがありました。
 古くからチベットとの交易路でもあります。ロバの隊商とすれ違いながら歩を進めます。
 今日の歩行は実質2時間ほど。ヒレという村のロッジに泊まることにしました。宿ではオーストリアからのハイカーと同宿になりました。夜が更けるまで一緒にネパール焼酎ロキシーを飲み、ふと夜空を見上げると、見たことも無い数の星が輝いていました。
 ヒレを出発し、ティルケドゥンガを過ぎて小さな吊橋を渡りました。ここからガイドの人いわく「悪魔の階段」が始まります。
 急階段ではないのですが、延々と続く石段で1000mほどの標高差を登ります。
 石段を登りきったウレリで少し休憩。こういう時に甘いチャイはとても美味しく感じます。
 森の中の緩やかな道を進み、バンタンティ、ナヤタンティと集落を通っていきます。
 ナヤタンティからは、また少し高度をかせぐように登り、約1時間でゴレパニに到着。今日はここで泊まり、明日の日の出に備えることにしました。
 ゴレパニで泊まったロッジ。
 前夜もそうでしたが、ロッジには快適なベッドが用意されています。日本の山小屋とは全く異なり、質素ながらホテルといった感じでした。もっとも、冷え込むので寝袋は必携です。
 ある程度熱い湯の出るシャワーもありました。
 夜明け前にロッジを出発。標識に従ってロッジの横から展望台に登ります。ロッジの標高が2850m、展望台の標高が3200m。
 2500mを越えると、いつも足取りが急に重たくなります。

 30分強でプーンヒルの展望台に到着。冷めたい空気のなか、しばらく待っていると東の空が白み始めました。
 朝日に照らされて8000m級のアンナプルナが赤く染まっていきます。感動的な朝焼けでした。
 見事な日の出を拝んで、ゴレパニのロッジに戻りました。レストランで朝食をとってから、山を下ります。
 交易路で子供たちとすれ違いました。そういえば、集落に小さな学校もあります。素敵な笑顔の子供たちでした。
 途中の食堂で昼食です。日清のカレーヌードルが、これほど美味しく感じたことはありませんでした。
 陽が山にかげり始めるころ、ビレタンティに戻ってきました。2泊3日でプーンヒル往復はちょっと強行軍だったようです。
 ウレリを過ぎてからの「悪魔の石段」は、登りももちろん、下りもきつかったです。途中で枯れ枝を拾い、杖代わりにして下りましたが、大腿二頭筋が悲鳴をあげそうになりました。

 ビレタンティからポカラに戻ると、静かな村が大都会のように感じられました。
→Heritage