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ソウルの石橋を日帰りで
次はソウル郊外水原へ


    1. 羽田 → ソウル → 羽田


【11/23】


 韓国、李氏朝鮮時代の宮殿に韓国最古の石橋があることを知り、急に韓国に行きたくなりました。ここのところ予定が詰まっているんですが、日帰りならば行けそうです。
 羽田・金浦空港の往復なら可能みたいなので、初めての日帰り海外旅行をすることにしました。

 羽田出発は8時20分。甲府、伊那、岐阜、松江の上空を通り、日本海に出ると窓の下には隠岐の島々を見ることができました。写真の左下にうっすら写っているのが隠岐です。
 隠岐・・・、まだ行ったことないなぁ。歴史的にも面白そうだし、こんど行ってみようかな・・・。などと考えているうちに、朝鮮半島の海岸線が見えてきました。たぶん慶州の北側だと思います。
 飛行機は朝鮮半島を斜めに横断してソウル金浦空港に着陸。
 だいぶ前にトランジットで立ち寄った時には「朝鮮半島は禿山だなぁ」という印象を受けたんですが、今回上空から見ると、それなりに丘は緑に覆われていました。

 で、入国手続きと両替を済ませてターミナルへ。リニューアルされたらしく、以前に比べてとても近代的な空港になっていました。

 空港から市内へは地下鉄5号線で移動。はじめはガラガラでしたが、しばらくすると日曜のお出かけといった感じの乗客で結構混んできました。
 金浦空港からソウル中心部までは1300ウォン。
 空港で10000円を両替したら150,000ウォンになったので、1300ォンというと87円くらいかな。

 地下鉄の駅は駅名のほか数字でも表示されていてわかりやすかったです。日本でも麹町にY15とか書いてあるあれです。5号線の金浦空港駅は512で、降りる予定の鐘路3街駅は534。22駅もありましたが、安心して座っていることができました。ちなみに所要時間は45分でした。
 迷うことなく鐘路3街駅で降りて地上へ。めざす石橋は世界遺産「昌徳宮」の中にあります。

 この昌徳宮はガイドに連れられて見学することになっています。自由見学は木曜日以外不可とのこと。韓国語はわからんなぁと思ったら、そこは良くしたもので、ガイドさんが英語と日本語という見学ツアーが一日数回行われています。

 調べたら日本語のツアーは一日4回(春夏は5回)。うまく12時30分の回に間に合いました。
 入場料は3000円ウォン。
 まず最初に李氏朝鮮王朝の歴史や昌徳宮の概要などを説明してくれると思います。たぶん常識的にね。
 でも、そういうことは概略の知識としては知っているし、興味は進善門という入口手前にかかる石橋に集中しているので、さっそく団体行動を乱して石橋探求です。
 この石橋の名前は錦川橋。昌徳宮の造営のとき、1411年に架けられた石造り半円2連アーチ橋です。韓国で最古の石橋で、日本だと室町時代の初期。日本最古の石橋と言われている沖縄の天女橋が1502年ということなので、約100年先輩です。

 狛犬さん(高麗犬?)の装飾はまぁるくなっていました。角がないから獅子像かな。
 昌徳宮については各種ガイドブックなどに掲載されているので記述はパスします。見学の様子はこんな感じ。はじめのうちは、集まってフムフムとみんな聞いていましたが、中盤からは集団から離れて写真撮影したり、結構ばらばらでした。ガイドさんごくろうさまです。

 15世紀はじめに建てられた王宮だけど、秀吉の朝鮮征伐(と呼んではいけないんだっけ、韓国では壬申倭乱というらしいです)により、石橋以外はすべて焼失したんだそうです。そう考えると居心地悪いです。
 昌徳宮の日本語ツアーは秘苑での休憩をはさんで80分間でした。

 続いてソウルの町並み探訪です。
 景福宮と昌徳宮という2大王宮に挟まれた「北村韓屋マウル」は、古き良き時代の韓屋が残っていることで有名です・・・。そう本に書いてあったので行ってみました。
 
 韓屋と呼ばれる伝統建築が特に多く残っているという「嘉会洞韓屋道」です。雰囲気がとてもよく、散策には最適でした。
 飛行機のサービス以来、何も飲んでいなかったので喉が渇いてジュースの自販機。上段のジュースが600ウォン、下段の缶コーヒーが500ォンでした。約33円也。
 名物の屋台。なにかよくわからなかったけど、おいしそうでした。
 景福宮。光化門と興礼門の間にある広場では、李氏朝鮮時代の「王宮守門将交代儀式」が行なわれていました。

 いまは観光客でいっぱいのこの広場は朝鮮総督府庁舎が建っていたところ。日本の終戦後、その建物は韓国の国立中央博物館として使用されていましたが、1995年に撤去され、2001年には興礼門が復元されました。
 王宮内のその他の建物も、秀吉により焼失→再建→明治時代に日本が破壊・・・
 そんなわけで、やっぱり少し居心地の悪さを感じます。いや、そんなことをイジイジ気にしていてはいけないのかな。本来気が小さいので気にしながら見学しました。
 石像・・・
 景福宮の見学が終わって16時。陽がかげりはじめたので、最後の目的地、清渓川に移動することにします。再建中の光化門からまっすぐに伸びる世宗大路を南へ下ると、道路の中央に建っていたのが李舜臣将軍像。
 秀吉侵攻の際に、朝鮮水軍を率いて日本軍を撃破して国を救い、その戦のなか亡くなった韓国の英雄です。でも、だからといって1968年(昭和43年)になって街の中心部に像を建てられては、申し訳ありませんでしたとしか言いようがありません・・・
 いま東京の日本橋では川の上にかかる首都高速道路を撤去するという構想が話題を呼んでいます。その話のときにひきあいにだされるのがソウル中心部の清渓川。清流が復元されたのを散策してきました。
 川の上にあった清渓高架道路が老朽化して使えなくなっていたこと、さらに蓋掛けした川の汚染も深刻だったため、李明博大統領がソウル市長だったときに高架道路の撤去と、河川の復元工事が行われました。
 その過程を紹介している清渓川文化館に行ってみたかったんですが、地下鉄2号線の龍頭駅まで行く時間がとれないので、次回まわしにしました。
 陽も暮れて時計を見ると17時30分。そろそろ空港に向かうことにします。地下鉄5号線の光化門へ。
 帰りも約45分で金浦空港駅へ。
 あまったウォンを日本円に戻すと8560円になりました。
 ということは、使ったお金は両替手数料込みで10000ウォン、1440円だけでした。

   地下鉄往復2600W、昌徳宮3000W、景福宮3000W、缶コーヒー2本900W
   合計9500W
   そういえば食事を取る時間を惜しんで歩き回ってました!
 帰りの便は金浦空港19時40分。今回の韓国旅行は滞在時間約9時間。出入国の手間を除くと実質7時間ほどでした。目的だった石の橋と清渓川を訪問できたので、それなりに満足しました。でも初めて街を歩いて、近くて遠い隣国と日本の関係に興味を深く覚え、ぜひじっくり再訪したいと思いました。
 特に今回はソウル中心部だけだったんですが、できれば百済や任那だった半島南部を時間をかけてまわりたいと思います。
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