たけちん認定 土木遺産 

安治川隧道

 3月4日、法隆寺をたずねたあと関西本線の快速に乗り込み、環状線の西九条で下車しました。目的は日本初の沈埋トンネルである「安治川トンネル」です。
 西九条の改札を出て左へ。5分ほどまっすぐ歩くと安治川の堤防に突き当たります。この突き当たりにある少し古びた感じの5階建てのビルが実は河底へ降りるエレベータの建屋です。
 安治川は、江戸時代の初期に開削された運河で、大阪の舟運で栄えた川でした。明治になってから一時、橋が架けられた時期もありましたが、その後は源兵衛渡という渡し舟が運行されていました。そして昭和10年に河底を横断する自動車トンネルと付随する歩行者トンネルが着工され、戦争末期の昭和19年に日本初の沈埋トンネルとして完成しています。
 現在、歩行者はエレベータに乗って河底へ降りますが(階段もある)、歩行者用エレベータの横にある封鎖された扉が自動車用エレベータだそうです。
 河底を渡る歩行者用トンネルを歩いてみると天井の片側だけがハンチになってます。これでわかるように歩行者用トンネルは安治川トンネルのわずか一部分。壁の横には、昭和52年まで車が通っていた2車線のトンネルが隠されているんです。

(社)建設コンサルタンツ協会のサイトに載っていた記事が参考になりました。
http://www.jcca.or.jp/kaishi/232/232_dobokuisan.pdf
 ⇒余部橋梁