go to top 区切り打ち その10

78番郷照寺から87番長尾寺まで


13年6月1日〜6月3日

通算46日め 13.06.01

柏餅
 前夜、仕事を終えて東京駅22時発の寝台特急サンライズ瀬戸に乗り込んだ。瀬戸大橋で朝を迎え、坂出で乗り換えて宇多津に7時20分着。早速、遍路姿に変身して郷照寺で区切り打ち再開を報告する。遍路行も残り10ケ寺となり、今回は道中、大事に歩きたい気がする。
 門前の「名物地蔵餅」で柏餅を求め、近くの公園でおやつ。柔らかくてとてもおいしかった。

 坂出市街を抜け、八十場駅手前から山裾の小道を上る。名物のトコロ点を注文し、またしてもおやつ。すすっていると取材に来ていた地元のCATVの方から「撮影してもいいですか」。遍路のイメージを落とさぬように緊張して食す。(どういう食べ方が良いんだか、豪快?上品?)

 第79番天皇寺と白峰神社にお参りし、予讃線に沿った旧道を東へ進む。鴨川駅近くでジュース代のお接待を頂く。そういえば6月に入り、日差しが強い。急に喉の渇きを覚え、綾川橋を渡った角に自販機を見つけ休憩。

 堤防沿いに進み、国道に合流する。久し振りのバイパス歩きだ。つまらない。飽きてくる頃、脇道に折れて12時半、第80番国分寺。寺の周囲に広大に広がる国分寺跡の遺跡公園をゆっくり見てまわった。 

道しるべ
 納経所で示された略図を想いだしながら五色台を目指す。
 舗装路で高度を上げ、国分寺の街を見下ろす休憩所の四阿で息を整える。ここからが遍路ころがし、急坂の始まり。生い茂る樹木で直射日光は遮られるものの、汗をぬぐいながらの登坂となる。
 足元の下草も今が盛りと生い茂り、蛇がいそうで怖い。杖で見えぬ相手を威嚇しながら上る。何枚も励ましの札がかかっていた。そういえば、ここまで何度も辛い道で励まされたっけ。

 今回も吊るされた札に励まされて、ようやく稜線の車道に出た。演習場に沿ってしばらく車道を進む。何度か山ひだを縫うように湾曲を繰り返し、古田から遍路道を下る。自衛隊の宿舎ではBBQの準備が忙しそうだった。

 湧き出る沢水でべちょべちょの遍路道を下り、15時半に第81番白峯寺到着。長い石段を登って参拝。途中には干支ごとのご尊像が祀られている。虚空蔵菩薩さんにお参り。

 広い駐車場を抜け、目の前が開けると正面に瀬戸大橋が見える。しばし瀬戸内の海と点在する島々を堪能し、宿へと向かう。今晩は奮発してかんぽの宿、17時に到着。32092歩。

通算47日め 13.06.02
 綺麗な保養施設に泊まると朝食もゆっくり、さらには朝風呂まで浴びて出発は超遅め、9時発。
 緩やかに上り下りする車道を進み、昨日通った古田から遍路道を東へ進む。沢沿いの遊歩道といった感じで、ところどころに丁石や野仏が佇んでいる。演習場との敷地境界を示す墓標のような石杭には「陸軍用地」と刻まれていた。

 閼伽井、十九丁と土道を進む。これくらい山深い道はここが最後だろうか、雰囲気を噛締めながら歩いていくと稜線の車道と合流。スカイライン入口の休憩所は展望がきかなかった。しばらく舗装路を進み、ふたたび遍路道へ。10時半、第82番根香寺に到着。駐車場脇の牛鬼像がなんとなくユーモラス。昔、ゲゲゲの鬼太郎で見たなぁ。

 仁王門から一旦、石段を下り、登りなおして回廊のある本堂に参拝。木々の緑が鮮やかだった。参道ですれ違った男性からポチ袋入りのお接待を頂く。見覚えのある飴とジュース代入りの袋に4月の記憶が蘇る。「デリカの方ですか?」
 前回は雨も強くて納札も渡さずじまい、ろくろくお礼も言えなかったけど、どんなに励まされたことか、奇遇を喜びつつ改めて御礼を述べる。ありがとうございました。

根香寺へ
 鬼無の街へ向かって車道を下る。讃岐平野と屋島の眺めを楽しみながら幾度となくカーブを曲がり、盆栽の街に降り立つ。踏切を越え、人家の連坦する道を進む。五色台を背に歩き、沈下橋を渡り、久々の大幹線道路、国道11号を渡る。市街地のせいか遍路シールが目立たなく、時折地図で確認しながら進む。国道32号を渡り、一宮明神先の分岐で曲がるのがわからずに直進。道なりに進み、見知らぬ県道に出る。見当を失いうろうろ。「道間違えとる、だいぶ戻らんといかん」
 言われたとおり、だいぶ後戻りして正しい道に復帰。迷い道に時間を費やし、ようやく第83番一宮寺に到着。うーん、根香寺から思いのほか長かったなぁ。

 参拝を終え、県道沿いのうどん屋さんでめっきり遅い昼食、16時。
 高松市街へ向け、県道を進む。これといって特徴無し、たんたんと進む。栗林公園手前で国道193号を横断し、市中心部を歩く。何度か右左折を繰り返すうちに曲がり角を間違えた。まぁ、最終的に屋島へ着けばいいんだからと適当に進む。途中、道を尋ねたご婦人から千円札のお接待を頂く。やがて御坊川沿いの道に出た。心落ち着くなかなかの情緒で、道間違いもまんざらでも無し。

 うまく国道11号に合流、郊外型レストランが連なっている。回転寿司を選び、夕食とする。
20時、屋島ロイヤルホテルに到着、今日1日でだいぶ日に焼けたようだ。44855歩。


高松
通算48日め 13.06.03

八栗
 8時出発、運動公園脇の道から琴電の線路を渡り、屋島へ登る。四国の道はところどころ工事中。整備の終わったところは石畳風のブロック貼りで、綺麗だけど雰囲気は?。標識によれば勾配21%だという坂が山頂まで続く。山門をくぐり、第84番屋島寺。本堂前の狸がユーモラス。

 観光地らしく、境内に人が増えてきたところで屋島を後にする。ホテル甚五郎脇から絵葉書のような壇ノ浦と五剣山のパノラマを目に焼きつけ、牟礼の街へと下る。これがまた急な下り坂、というより崖下り。(58%って書いてあった。)その先も壇ノ浦まで直角直進の急坂で、あっというまに山を下り終える。
 高橋を渡り、州崎寺の真念さんにお参り。道標どおりに民家の間をすり抜けると八栗ケーブル乗り場が見えた。乗り場脇の大きな鳥居をくぐり遍路道を登る。思ったほどの急坂ではなく、緑の中の坂道を楽しむ。もっとも汗はだいぶかいた。

 第85番八栗寺は参拝の人で賑わっていた。飲み物、アイス、お土産などの出店も並んでいる。
 参拝後、八栗寺縁起の甘栗ってことで一袋買い求めたけど、もしかして普通の天津甘栗だったりして?500円。

遍路橋
 八栗寺から志度へ向かう下り坂には再び21%という標識。これから向かう志度の街が海越しに広がり雰囲気がいい。しかし急坂ゆえ踏ん張って下るため、結構疲れる。それに、ケーブルを使わない参拝の車が、アクセルをふかして登って来るので結構気を使った。
 国道に合流し琴電に沿って歩く。しばらくして国道と分かれ旧街道へ。志度の古い町並みの中を進み、大きな石灯篭を過ぎると正面に山門が見えてくる。第86番志度寺に13時到着。
 お参りを済ませ入った納経所ではTVが映っていて、寺の方が番組に気をとられながら・・・。(-_-;)
 
 志度の街を後にJR高徳線と並行し郊外の県道を進む。旧道に入り、玉泉寺を経て長尾の街が近づく。その名も遍路橋を渡ると第87番長尾寺、15時半に到着。31684歩。

 結願を目前にし、今回はここで区切り。納経所脇で着替えて琴電の乗客となる。区切り打ち10回で87番まで到達し、次はいよいよ結願寺。帰路の新幹線車中で、またもや次回の計画思案。
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